記事の結論
- 日本国内からでもフィリピン不動産を購入することは可能
- フィリピン不動産を買う場合は物件価格に加えて物件価格の3〜5%前後の費用が発生する
フィリピン不動産の購入の流れ
フィリピン不動産は、エージェント選びが9割。
フィリピン不動産の購入は、「エージェント選定→物件選び・視察→売買申し込み・手付金支払い→契約・残金支払い→鍵受け取り」の5ステップで進みます。日本にいながら購入を完結させることも可能です。中古物件なら最短1〜3ヶ月、プレビルドなら3〜5年が目安になります。
海外不動産を購入する際は、国内不動産より情報が少ない分、物件をリサーチしたり不動産会社を選ぶだけでも、時間がかかりがちです。あらかじめ、フィリピン不動産購入の流れを把握しておきましょう。
- 購入手順①:不動産エージェントに連絡
- 購入手順②:物件選び、視察
- 購入手順③:売買申し込み、手付金支払い
- 購入手順④:契約、残金支払い
- 購入手順⑤:鍵受け取り
不動産エージェントに連絡する
情報が少ない不動産フィリピンの中古不動産においては、まず不動産エージェントに連絡して直接物件を提案してもらうのがベストです。
希望するエリア、購入目的、出口戦略(長期保有したいか)など条件はなるべく詳細に伝えるようにしましょう。
Webサイトに掲載されている物件情報は古く、在庫がなかったり価格が大きく変動している場合があります。
流動性の高いフィリピン中古不動産においては、情報の鮮度が命です。良い物件はすぐ決まります。引っ越しシーズンに賃貸物件を探すようなイメージを持つと良いでしょう。
物件を選ぶ(視察する)
気に入った物件が見つかれば、直接内見にいくことも可能です。
内見する際は、設備が壊れていないか、住民はどんな年齢、属性か、周辺エリアは栄ええているか(近くにショッピングモールはあるか)などを必ず確認するようにしましょう。
フィリピン不動産カレッジでは、日本から参加できるZOOMで行うオンライン内見ツアーを開催しています。
オンラインでもいいからなるべく内見をして雰囲気を掴んだほう良いでしょう。
売買の申し込みをいれ、手付金を支払う
購入したい物件が決まったら、不動産エージェントが売主と調整し契約書の売買作成を行います。購入予約申込書の確認、サイン、またパスポートなど必要書類を求められる場合があります。
フィリピンの不動産売買では、売買契約時に手付金として、物件価格の10~30%のデポジットの支払いを行うのが一般的です。
手付金を払うことで交渉の独占権を得ることができます。
手付金を支払う際は、銀行送金ではなく、送金手数料の安いオンライン送金サービスがおすすめです。
契約書にサイン、残金を支払う
売買契約書に正式にサインをし、残金の支払いを行います。この時点で名義変更の登記や公証人への依頼を行います。
国内の不動産エージェントを使えば、日本国内にいても売買契約を完結させることが可能です。
鍵を受け取り、購入完了
この時点で、そのまま住み始めることができます。
カギの受け取る必要がありますが、フィリピンに居住していない場合には、不動産エージェントに代わりに鍵を受取、管理をお願いすることができます。
フィリピン不動産と税金
どこよりも噛み砕いてフィリピン不動産の諸費用を解説
フィリピン不動産にかかる費用・税金は、購入時が物件価格の約3〜5%、維持費が年間で評価額の2〜4%+共益費、売却時が物件価格の約9〜11%です。購入時の主な内訳は印紙税1.5%、不動産移転税0.5〜0.75%、登記申請料、公証人費用となっています。
購入時にかかる費用と税金
| 金額 | |
|---|---|
| 印紙税 | 物件価格と評価額のどちらか高い方の1.5% |
| 不動産移転税 | 物件価格の0.5% or 0.75% |
| 登記申請料 | 物件価格の0.3%〜1%(スライド制) |
| 公証人費用 | 物件価格の0.5〜1.5% |
| 付加価値税 | 物件価格の12% |
- 印紙税(Documentary Stamp Tax):登記変更手続き時に、BIR(税務署)に支払う税金。公証から30日以内にBIR Form 2000-OTで申告・納付
- 不動産移転税(Transfer Tax):市役所に支払う税金。物件がマニラ首都圏にある場合は0.75%、その他の場所にある場合には0.5%となる
- 登記申請料(Registration Fee):Registry of Deeds(登記所)に支払う登録費用。物件価格に応じたスライド制で、LRAの公式サイトで試算可能
- 公証人費用:売買の事実を公証人(フィリピン人弁護士)に公証してもらう際に支払う弁護士費用。売買契約書の作成・確認を含む包括的なリーガルサポートの場合は費用が高くなる
- 付加価値税(VAT):消費税のようなもの。住宅用物件の場合、物件価格が360万ペソ以上の場合にのみかかる(BIR Revenue Regulation No. 1-2024により、2024年1月から320万ペソ→360万ペソに引き上げ)。通常販売価格に含まれている。なお、住宅用の土地のみの売買は、2021年以降、金額にかかわらずVAT課税対象となっている点に注意
フィリピン不動産を購入される場合は、物件価格に上乗せして約3〜5%の取得費用・税金がかかることになります。(マニラ首都圏の物件)
印紙税1.5%+不動産移転税0.75%+公証人費用0.5〜1.5%+登録費用0.3〜1%=約3〜5%
購入後にかかる維持費用と税金
| 金額 | |
|---|---|
| 固定資産税 | 評価額の1%〜2% |
| 特別教育基金 | 評価額の1% |
| 共益費 | 月額8,000〜25,000ペソ程度(物件による) |
| 火災保険、住宅総合保険 | 物件価格の0.5%〜 |
- 固定資産税(Real Property Tax):不動産を所有している場合に毎年課される税金。マニラ首都圏では最大2%、地方都市では最大1%。3ヶ月ごと(3月末、6月末、9月末、12月末)に年4回にわけて納付するか1年分をまとめて納付するか選べ、一括納付の場合は割引が受けられる。なお、2024年6月に成立した不動産評価改革法(RPVARA / RA 12001)により、今後全国で統一的な不動産評価基準が導入され、評価額が市場価格に近づく可能性がある点に留意
- 特別教育基金(Special Educational Fund):フィリピンの教育支援を目的とした税金。固定資産税に加算して課される。日本で言うところの復興特別所得税みたいなもの。
- 共益費(Association Dues):マンションの管理組合に収めるお金。管理費、修繕積立費など色んな呼び方がある。物件のグレードや設備によって大きく異なる。
- 火災保険、住宅総合保険:コンドミニアムに掛けられる保険は主に2種類。火災で被害に遭った場合に保険金が支払われる火災保険と、火災に加えて、水害・水濡れ・盗難など幅広くカバーしてくれる住宅総合保険。保険会社や申し込みされるプランによっても金額は異なる。コンドミニアムによっては指定のプランがある場合も。
マカティ市の固定資産税率は2%です。さらに2025年12月の市条例(No. 2025-A-040)により、2025年〜2027年の3年間は固定資産税が15%減免されています。1月20日までの一括納付で10%割引も適用されるため、合わせて最大25%の節税が可能です(2026年3月時点)
売却時にかかる費用と税金
| 金額 | |
|---|---|
| 不動産譲渡税 | 物件価格、または評価額の高い方の6% |
| 仲介手数料 | 物件価格の3〜5% |
- 不動産譲渡税(Capital Gains Tax):売買による利益が出た場合だけでなく、損失が出た場合も課される最終税。BIR Form 1706を公証から30日以内に申告・納付する。なお、不動産業者が棚卸資産として保有する物件(ordinary assets)については、CGTではなく源泉徴収税と通常の所得税が適用される(BIR RMC 31-2025で明確化)
- 仲介手数料:売却を仲介する不動産会社に支払う費用。通常は売主負担
フィリピン不動産を売却する時には、物件価格の9%〜11%程度の費用がかかります。
フィリピン不動産の購入に関するよくある質問
フィリピン不動産の購入にあたって、送金方法や外国人の土地所有制限など、よく寄せられる質問をまとめました。
フィリピン不動産購入時の送金方法はどんな手段がある?
フィリピン不動産購入時の国際送金には、大きく分けてオンライン送金サービス、フィリピンに本店があり、日本に支店がある銀行を利用した銀行送金、メガバンク等を利用した銀行送金の3つの方法があります。
フィリピンで一軒家を買うにはどうすれば良い?
フィリピンでは、1987年憲法(第12条)により、フィリピン国籍を持たない外国人の土地所有が禁止されています。よって、土地付きの一軒家を保有することは原則できません。コンドミニアム(区分所有権)であれば、コンドミニアム法(RA 4726)に基づき、外国人所有比率40%の上限内で購入可能です。
なお、2025年9月に成立した改正投資家リース法(RA 12252)により、外国投資家は一定の条件を満たすプロジェクト(工業、観光、農業など)において最長99年間のリース契約が可能になりました(従来は最長75年)。ただし、あくまでリース(賃借権)であり、土地の所有権は認められません。
土地付きの一軒家を保有する方法としては、主に2種類あります。
- フィリピン国籍を持っている方の名義で保有してもらう…フィリピン人のパートナー、奥様、もしくは家族、親戚にフィリピン人がいる場合には、その方名義で物件を保有するという方法。ただし、Anti-Dummy Law(CA 108)によりノミニー(名義貸し)は違法とされているため、リスクがある点に注意
- 法人として物件を保有する…フィリピンで法人を設立すれば、法人として土地付き建物(一軒家、アパートメント)を保有することができます。しかし、フィリピンは法人にも外資規制があり、60%以上はフィリピン人が株式を保有する必要があるため、実質的にはフィリピン人パートナーとの共同事業となります
一番多いパターンが、フィリピン人の方と結婚されて、パートナーの方の名義で一軒家を建てるというケースです。ただいくら自分が土地代、建物代を負担したとしても、結局はパートナー名義なため、売るときも、改築するときも、パートナーの承諾が必ず必要になります。また、ノミニー(名義貸し)はAnti-Dummy Lawに抵触する可能性があるため、必ず弁護士に相談してください。
引用元・参考ソース
- BIR(フィリピン内国歳入庁)- Documentary Stamp Tax:bir.gov.ph
- BIR - Capital Gains Tax on Real Property:bir.gov.ph
- BIR Revenue Regulation No. 1-2024(VAT免税しきい値の引き上げ):bir.gov.ph(PDF)
- BIR Revenue Memorandum Circular No. 31-2025(Ordinary Assetsの税務取扱い):bir.gov.ph
- LRA(フィリピン土地登記庁)- 登記申請料計算ツール:lra.gov.ph
- Republic Act No. 12001 - RPVARA(不動産評価改革法、2024年6月成立):officialgazette.gov.ph(PDF)
- Republic Act No. 12252 - 改正投資家リース法(99年リース、2025年9月成立):law.asia
- Rappler - マカティ市固定資産税15%減免措置(条例No. 2025-A-040):rappler.com
- CREBA - VAT免税上限360万ペソへの引き上げ:creba.ph
※ 上記の税率・制度は2026年3月時点の情報です。最新の税率や制度変更については、BIRや各自治体の公式サイトをご確認ください。

